渓流のエサ釣りについて解説
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渓流に住む美しい魚の種類から、渓流エサ釣りの釣法・仕掛け、念願の渓魚との出会いまで、解説していきます。
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釣れる魚達
渓流の魚と言っても、地域や水脈によって様々です。また、同じ魚でも、地域によって呼び方が変わってきたりと・・・意外とややこしいものです。
という訳で、ここでは、渓流で釣れる代表的な魚たちを紹介していこう!
ヤマメ(山女・山女魚)
まず、渓流釣りのメインターゲットとも言えるヤマメ。
ヤマメは養殖も盛んで、多くの川で放流されており、また、地域によって呼び名が著しく違う事も特徴だ。そして何より、ヤマメには「亜種」が存在しており【朱点】が体側に点在している個体を『アマゴ』と呼ぶ。
【朱点】がある以外は、見た目や生態などは同じだが、『アマゴ』の方が水温上昇に強いとされている。
実際、私個人の経験値からお話しするならば、細い源流部より、比較的水量と川幅が広がった中流域でお目にかかる事が多い個体というイメージだ。また、南に行けば行くほど、『アマゴ』が釣れるという実釣感覚はあるのは事実。
生態
ヤマメは動物食で川虫や落下昆虫(カゲロウなど)、小魚等を食性としており、比較的流れの速い渓流が生育条件である。ヤマメは非常に警戒心が強く、一度エサや毛ばりなどを見切られると二度と振り向いてくれないという特徴があり、イワナやニジマスと比べ、釣る際には非常に難易度の高い魚である。
イワナ
イワナは渓魚のなかでも特に冷水を好む魚で、上流域から源流域にかけて生息。源流域ともなれば川相も険しく、とても初心者向けのターゲットとは言えない。
しかし、イワナは山奥へ入らなければ釣れない魚ではなく、あくまで上流域でなければ個体が少ないだけで、里山の用水路などでもたまに釣れたりもする。
生態
水温15℃以下の冷水を好む。
産卵期は秋で、春になると水棲昆虫などを捕食しながら成長する。貪欲な食性で、成長するにつれ水棲昆虫だけでなく、トンボやセミ、バッタなども捕食するようになる。水中に落ちたヘビや、小魚を捕食しに来た野鳥にも襲いかかるなど、獰猛で悪食な性格はブラックバスによく似ている。その反面警戒心が非常に強く、釣り人が不用意に近づくと長時間物陰に隠れてしまう、といった性格をもつ。
ニジマス
釣り堀や管理釣り場でおなじみのニジマス。
ニジマスは日本古来の渓魚ではなく、外来種に分類される。ニジマスが日本に移入されたのは、明治10年(1877年)で、アメリカ・カリフォルニア州産のニジマスの卵1万粒を孵化・飼育したのが最初とされる。その後も各地で養殖や放流が行われており、現在では、一部の河川や湖で自然繁殖している。
生態
基本的には冷水性の魚だが、ある程度の温度変化にも適応する。活動可能水温は5〜24℃。食性はヤマメとイワナの中間に位置し、水棲・陸棲昆虫、小魚、甲殻類などを食べる。産卵期は冬〜春で、ニジマスは一度の産卵では死なず、数年の間繁殖行動を行う。降海型のニジマスは、原産地ではスチールヘッドと呼ばれており(頭の色が鋼鉄色になる)サケのように海を回遊した後、河川へ再び遡上する。
渓流エサ釣り釣法・仕掛け
美しい渓魚の種類や、大まかな生態など理解できたところで、『釣ってみたい!』を実現するための基本的な釣法。また、その『釣法の魅力、メリット・デメリット』なども紹介していこうと思う。
最も基本的なミャク釣り
渓流釣りの基本、エサ釣り。
全ての釣りの起源ともされる釣法だが、魚が普段食べているエサ(川虫など)を針に付けて釣るという釣法の為、釣果も期待できる釣法となる。
写真は、釣り堀などでよく見る『ウキ釣り』だが、渓流釣りで最もポピュラーな釣法として『ミャク釣り』があげられる。
『ウキ釣り』は、ウキの浮力でエサを流す為、棚(高さ)やスピードが一定で、魚に見切られやすいという特徴がある。また、流れの表層と底付近では、流速や流れの向きなども違うため、渓流というシチュエーションには向いていないのが現実。
その反面、『ミャク釣り』では、自由な断面で自然にエサをアピールすることができるため、より高釣果を期待できる釣法となる。
『ミャク釣り』は、ウキのような浮力で流すのではなく、『目印』という印をもとに、竿を使って棚(高さ)を調整する釣法にて、より自然にエサを流すことができ、違和感なく普段の捕食通りに食いつかせることができるという訳だ。棚の高さや、流し方は無限にある為に、釣り手の腕にて釣果が大幅に左右される釣りとも言える。
もっとも基本的な仕掛け
こだわればキリがない仕掛けだが、まずは下記の仕掛けでチャレンジし、不都合を感じてから自分なりに仕掛けをアレンジしてほしい。
なぜなら、天井糸など、なぜついているのかもわからず釣りをしている初心者(妻)が多いからだ。自分なりに仕掛けをカスタマイズするのもまた、渓流釣りの楽しさの1つと言えるだろう。
主なエサの種類
渓流釣りで使用するエサを紹介します。
水生昆虫
写真はピンチョロ(ピンピン)と呼ばれているカゲロウの幼虫。他にも代表的な虫は、クロカワムシ・オニチョロ・キイロイムシ・スナムシなどがおり、『現地調達が可能なエサ』となっている。
虫エサの良さとして一番言える事は、仮に採取時、種類等が分からなくても、その場で取れたものならば、『確実に捕食しているベストなエサ』という事だ。
採取方法も簡単で、水たまりの落ち葉をネットですくってみたり、川の浅瀬で石ころを足でガサガサするだけで何かしらのムシは取れるものである。
陸生昆虫
写真は釣具屋さんでよく見かける『ミミズりんたろう』
川虫で反応がない場合や濁りがきつい時などに非常に有効。他に代表的なエサとして、ブドウ虫なども上げらるが、『主に購入するエサ』となってくる。
採取しようと思えば、可能だが、ミミズであれば、大型の『ドバミミズ』が多く、採取困難なのは間違いない。しかしながら、水生昆虫同様、現地で採取されたエサは、高釣果が期待できる。
私はよく、小さな用水路で釣りをしたものだが、周辺が田んぼだった為か、イナゴ(バッタ)でよく釣れた記憶がある。いつものエサと違ったエサに、イワナの大型やスレた尺ヤマメがヒットした!という話も珍しくない。釣れない時や、イワナなどを釣りたいとき試してみると良いだろう!
エサ釣りの楽しさ!
エサ釣りの魅力として、最も言える事!それは、釣れる!という事だ。魚さえいれば、よっぽどのメジャーポイントで魚がスレ(見切られている)ている以外、何らかのアクションはあるものだ。
また、初心者向けではなく上級者の楽しみと言えば、『エサの選択』があげられる。釣り用語で「マッチザベイト」という言葉は、聞いたことないだろうか?
聞いたことある方も多いと思うが、その場にいるベイト(捕食しているもの)と実際のエサがマッチしている状態の事を指す言葉だ。
フライフィッシングやルアーなども、その限りで、捕食しているエサに合わせていく点は、エサ釣りとやっていることは、さほど変わらない。
トラウトルアーで、スプーンの色を変えていく様は、まさにそれである。
また、渓流では時期特有のエサの選定もあり、例を挙げるならば『カゲロウ』の羽化時期(4月前後)になると、渓魚は水面を意識するようになり、川虫じゃ全然釣れなくなる場合もある。
その魚とのプロセスが、たまらなく楽しいという事だ。
エサ釣りのメリット・デメリット
まず、エサ釣りのメリットとしては、『釣り具が安価である』という事があげられる。安いものなら2,000円程度から竿が売っており、仕掛けも道糸、ヨリ戻し、針などと、数百円で手に入るもので釣りになる。
また、沢を上る際も、非常にコンパクトなので、荷物にならないのが最大の魅力。
デメリットを挙げるならば、川幅が広い場合や、川の落差によってできた淵などの場合、仕掛けが届かない場合がある。
渓流釣りの経験者ならばわかると思うが、狭い渓流を釣り歩いていくと、滝や落差によって出来たプールに遭遇することがある。サイズも様々で、驚くような広く深いプールも存在し、渓流竿では、釣りにならない場合もある。
そういう場所に限って、大型の魚影がうようよ見えるものであるし、魚止めとなっている場合が多いので、高ポイントとなる。
渓流というシチュエーションから、小さな湖のようなシチュエーションに突如変わる瞬間だ。一本竿では釣りにはならないが、フライやルアーならキャストで釣りにはなる。
渓流釣りに行く前に・・・
釣り自体初心者の方や、渓流に行ったことがない方は、上記写真のような川タイプの管理釣り場で練習する事をお勧めする。足場が良い為、ウキや仕掛けの流し方や、魚とのやり取りなど、良い勉強になるからだ。始めから、山奥の渓流に行ったとしても、たくさんの危険は伴うし、足場も悪く、釣りにならないと思われる。
せめて、振り出し竿の釣りに慣れてから、入渓することを強くお勧めする。
まとめ
近年のアウトドアブームに伴い、普段より渓流という場所が身近になった方も多いと思います。無論、見るだけでも非常に癒されるわけですが、渓流には非常に美しい魚たちが生息しており、釣りという方法で魚たちと触れ合い、楽しさを知ってほしく、記事を書きました。
また、私は普段キャンプなどを中心に記事を書いておりますが、キャンプ場の近くには、かなりの高確率で渓流があるという事実もあります。
釣れた魚を炭火でじっくり焼いていただく・・・。こんな贅沢してみたいと思いませんか?なんなら、釣り人の特権!刺身でもいただけますから!
という事で今回は、『渓流釣りを始めよう!まずはエサ釣りで始めの1匹と出会おう!』という内容にて進めさせてもらいました。
ぜひ、とても美しい渓流とその中で生息する渓魚をご覧になってみてください!癒されること間違いありません!
服装や装備についても学ぼう!
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